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前任地の名古屋は常滑焼・萬古焼・瀬戸焼・美濃焼の焼き物四産地が近かった。陶芸のことはよく分からなかった。むしろブルジョア的で・・・。しかし窯元を訪ね歩くうちに、表現は悪いが喰うことは後に回してもただひたすら窯の炎炎に向かい作品を作り続ける作家が多いことを知り、その陶芸家魂に魅かれた。私の好きな作家は野口淳氏である。好きな作品は「朔」(新月、太陰暦1日目のこと)。送別会の折々には彼の酒器を記念品として用意し、それで皆で酒を酌み交わし送別者に宴の記念として渡している。また残念ながら送別すべき会を開くことになった。

●のぐち じゅん●
1976年 東北大学卒業、1982年に青年海外協力隊にてタイ・チェンマイ大学に勤務。1990年タイ・ウボン職業訓練サンタ-陶磁器科に勤務後、1994年愛知県瀬戸市にて独立、現在に至る