
一日寝ていた。夕方になって飯を食いに近くの食堂に出かけ、クリーニングにシャツを出し、米屋で灯油を買った。
体がだるい時ってこれだけでも精一杯。
だらだらして、風呂に入るのもめんどくさい。
確か、近くに銭湯があったはず。今時ほんとにやっているかなと思いつつ行ってみたら明かりがついていた。

「男湯」「女湯」の暖簾はない。左を開け、「やってますか」と声をかけると老婆の声で「男は右側」と言われた。
手書きの番号が書いてある木の靴箱、脱衣所の木のロッカー。番台にはその昔ながらの空間と年を共にとったような老女が座って、老けた声の女性客と話をしていた。
番台には、もう何十年も見たことの無い赤い箱に牛のデザインの石鹸も売っていた。
男湯の客は誰もいない。「時間ですよ」の舞台そのままの銭湯。こんな高層マンション群の間にあって果たして客など来るのだろうかと心配になる。
でもこういうところって懐かしい感じがする。
流し湯で湯船もきれいだ。
昨日に続き独り占めの空間にどっぷり浸かり、体を温めた。
最近、登場人物の少ない時空にポツリいることが何故か多いな。これが単身生活ってことかな。
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