
用事がある夕方まで時間があったので、北千住でおり、千住界隈を歩くことにした。
この一週間、猛暑とはいっても涼しいところにいたせいか、炎天下を歩いても然程バテナイのでありがたい。
細長い商店街を歩いて「赤門寺」という通称の三宮神山大鷲院勝専寺へ。木造の千手観音立像があるらしいが、開帳されてはいなかった。

法然上人御詠が彫られた石碑:「月が空に昇りました。月の光はどこも照らす。だけど家の中にいたり、外に出ていても空を見上げない人には月が出ていることすら気づかない。一方今夜は満月と空を見上げ感動する人もいる。」そんな意味のことが彫ってあった。

千住は芭蕉が「奥の細道」出発した基点でもある。記念碑を探すと、歩いて15分、千住大橋の下を南にくぐり、足立中央市場の入り口付近にあるという。
奥州、北陸を経て大垣まで1200キロ、150日間をかけて歩いている。
昔は危険な旅だったろうが、長距離を歩いた人は稀有ではなかったろう。「奥の細道」ゆかりの地巡りは東北にいる間にしか出来ないことのひとつだが、まだそんなに興味がある訳ではない。その謎に包まれた紀行文の足跡に触れる機会あればと思う。

「行春や 鳥啼 魚の目は泪」
人にはそれぞれに様々な旅立ち。されど感性は共通し、時を隔てても感じるものに共感できることはうれしい。
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