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昨日は恵比寿のエコー劇場で、朗読劇を観た。脚本・演出を高校の同窓生のI氏(詳しくは→http://blog.so-net.ne.jp/kaz-i)を手がけた。

昼夜の2回公演に在京の同窓生20人余りも集まった。

テーマは伊藤野枝(1895~1923)という活動家大杉栄と生涯を伴にした女性。予備知識(→詳しくはhttp://www.cc.matsuyama-u.ac.jp/~tamura/itonoe.htm)もなく観てしまったのだが、彼女の短くも情熱的な人生に感じさせられた。

100年も前の人生が、I氏の演出で、蘇り、観客に「再生」され、人々の心に感動を与える。

たった1日の公演で、九州等への取材旅行や、スタッフ、音楽もオリジナルなどの事を考えると、とても元が取れたとも思えないのだが・・・。

現代のステージにもう消えてしまった魂を再構築し、人々に伝えたいものを演出していくI氏の「使命感」に心打たれた。

無形のものに、損得ではないものに、長崎から父親と弟さんが駆けつけ、同級生も多く集まった。

おかげで、30年ぶりに顔を合わせる同窓生もいて、楽しい祝宴となった。

命を掛けて一人の男性を愛した野枝という女性の生き方、50年先をいくその感性。人生の在り方を考えさせられ、同窓会という場で、自分の半生を振り返った。

演劇の感動でセルのモーターは回った。それだけでは一夜の感動だけとなってしまう。エンジン自身の始動に繋げたいものだ。

「いいものって、いつかはわかる」ここ数ヶ月はそんな出会いが多い気がします。

毎日、悲惨な、あるいは陰湿なニュースが駆け巡り、相変わらず、1億総評論家。プロ野球を観て、その選手の千分の1のタフネスや精進を自らやろうとしない、赤提灯で野次を飛ばすオヤジと変わらない。

正しいことは皆既に分かっている時代。自ら感動でき、自ら楽しく動き出せる・・・そんなものを世の中求めて、動き出しているような気がします。