会社の先輩とレンタカーを借りて、山形県の山寺へ。30度を超えていたがブナや杉の林の中の参道はさほど暑くない。芭蕉が「閑さや岩にしみ入蝉の声」と詠んだ場所でもある。
晩夏ではあるが蝉はまだ盛大に鳴いている。音が液体のように染みていくという感性はこの俗人には思いつかない。
1015段の階段は途中の祠や由緒書きなどを読みながらでも30分ほどで上れた。
中腹の五大堂は山水画的配置の岩肌の上にありそこからの眺めは素晴らしい。
学生時代以来30年ぶりだという先輩は何を思っているのだろうか。
まだ時間があるので、福島県境の標高1250mにある秘湯「姥湯温泉」に行くことにした。
国道から車1台がやっと通れる山道に入り1時間、さらい歩いて10分。やっとこさで渓谷に着く。秘境という感じがする。
頭上の滝から流れる落ちるせせらぎに沿って源泉をそのまま引き入れていた露天風呂だ。日本秘湯を守る会会員にもなっている。しばらくすると雲が厚くなり雷音が聞こえ出し奥深い谷間の野趣もますます深い。
裸のオジサンたち数人が岩の上で、まるでサルになったようだと話していた。1時間ほどゆっくり入り、こちらは先に服を着て人間に戻り出たが、入れ違いに若いアベック数組が入っていった。男風呂と思っていたがここは混浴でもあった。
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