仙台駅から、東西線一駅、歩いて数分で、その寺はあった。
8月だというのに、冷たい雨が降る。
小説家でもあった故人の『寒き夏(仙台城下 天明饑饉録)』に
描かれた夏もこのようだったのだろうか。
遺作『水の音』の中で、肉親との墓を移す問題での確執を
描いた私小説。
その結論で、ここの真新しい墓に眠る。
1年越えの願いが叶い、手を合わせる事が出来た。
震災前夜、チラシの校正で氏ともめた事が悔やまれる。
小雨の中、線香がわりのセージの葉に火をつける。
彼のおかげで、また、仙台に来れた。
今回も、けやきの杜を見ているだけで、
また、癒された。
不思議と相性がいい場所だ。
肺の中を、ひんやりと、樹の空気と入れ替えた。
今回は、日帰り。
己れのドロドロも、そろそろ、
カサブタにしないといけないと、けじめの夏。
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